日野理論の根幹
胸骨の操作が身体運動のランクを変える=体幹トレーニングの実際
 (2003年雑誌「秘伝9月号」で特集したものを読んでいない方の為に、内容を少し改訂しての紹介)


日野理論の根幹に据えているのは、人の「生理的反応」そして身体の「連動」と、「胸骨の操作」である。
無論その三つは、切り離しては考える事のできない要素である。
それらは、それぞれが互いに影響しあい補 い合いあるものだからだ。

「胸骨は身体の要」

胸骨の引き上げ引き下げ、開閉は背骨の運動と直結している。そして、背骨の運動は骨盤と直結している。
当然、それらの末端である、腕や足はこれらの運動の影響を受けているのだ。
例えば武道でいう「腰がきまる」は、腰にあるいは丹田にポイントがあるのではなく「胸骨の引き上げ」という運動、あるいは姿勢にポイントがあるのだ。

胸骨が引き上がるから背骨の働きを介して骨盤が尾てい骨から後ろに反る、その時、胸部から腹部の中心にかけて引っ張り感を感じる。
としたとき、腰がきまっている状態に姿勢が収まるのだ。
決して、丹田といわれている部位や、腰を意識する事ではないのだ。
もしも、その側から挑戦すれば、身体の動きは自由性を失ってしまい、「居着いた身体(身動きのとれにくい)」になる。
この時(胸骨の引き上げ)、背骨が自動的に動き腸骨筋や大腰筋などのインナーマッスルを稼働させる役割を持ち、その操作が手や足から力を出すことに繋がっていくのだ。

「胸骨の操作」

運動のためのトレーニングの目的は、運動効率を高める事にある。その中には、個別の運動として様々な要素を満たすためのトレーニングがひしめき合っている。
それは、個別のジャンルが持つ運動要求がそれぞれ異なるからだ。
持久力や敏捷性といった大きな括りから、動体視力に至る身体細部のトレーニングまで、今日では非常に専門的にトレーニング法が確立されつつある。

では、
日野理論で言うところの『胸骨の操作』とは、そのトレーニング法のどこに位置するのか?
それはここで並べた専門的な個別のトレーニング法以前に位置するものだ。または、同時進行的に取り組むべきトレーニングなのである。
というのも、今日の専門的なトレーニング法は、確かにそれはそれぞれのジャンルに適しているのであろうが、それ以前に身体そのものはもちろんのこと、「
身体から力が出る仕組み」や「身体を効率よく動かせる仕組み」を知り使える必要があり、そこのところを担っているのが日野理論なのである。

また、トレーニングが専門的になるが故に、身体全体認識からはどんどん遠ざかる傾向にある。いわば、医療の細分化のようなものだ。それを、身体全体の働きを良くすることで運動効率を高めたり、個別の能力発揮に対処しようというものである。
それはおかしい、と思われる方もいるだろう。
それぞれのジャンルのアスリートやダンサー達は、身体操作の専門家なのではないのか、と。
実はそうではない。
もちろん、卓越した身体操作をしているアスリートもいるが、全く身体操作の鈍い方、ある言い方をすれば恟_らかく身体全体を使えていない(連動していない)アスリートがほとんどだ。

だが、勘違いしないでほしい。アスリートたちは競技者なのだから、自分の属する世界で良い成績さえ残せれば、身体操作が悪かろうが、身体が堅かろうが、何の問題もないのだということを(古い話だが、マラソンの谷口選手がその代表的な例だ)。
その中で、自分の成績が伸び悩んだり、
既成のトレーニング法に疑問を持った人たちに必要なのが、この日野理論なのだ。

身体の要

その日野理論の中の肉体操作の柱になっているのが、「胸骨の操作」である。
なぜ「胸骨の操作」が腕から力が出たり、効率よく身体を使うことに繋がるのか?
それは“結果論として”言えば、脊椎から繋がる腸骨筋と大腰筋(俗に腸腰筋やインナー・マッスル・体幹等と呼ばれている)を稼働させる役割を持つからだ。
したがって、運動にとって重要な手や足から力を出しやすくなる、に繋がるのである。
また、胸骨を意図的に作動させることで、胸骨に隣接する肩胛骨を働かせることに繋がる。
ここで、肋骨から上の上半身の自由性が生まれたり、腕の稼働領域を広げることが出来る。
そして、胸骨を通した脊椎の運動は、骨盤の連動を促し下半身の自由性を増すのだ。
つまり、「胸骨の操作」は、脊椎運動を通して身体を連動させ、手や足から力を出すばかりか、運動効率を高める“身体の要”とも言えるものなのである。


私にとってはコロンブスの卵

先に“結果論として”と記したが、それは、理論が先にあって実際の運動が生まれたのではなく、先に実際的な運動がありそれを理論化すれば、という事である。
私自身、当初(三十数年前)は、「胸骨操作」が全身運動と関わっているとは思わなかった。
当時やっていた空手の突きを効率よく、しかも威力を増すためにと考え、辿り着いたのが
胸骨と肘の運動だったのだ。

しかし、この効率の良い腕の使い方は、私にとってはコロンブスの卵だった。
というのは、当時はジャズドラマーをしていたので、腕は素早くシンバルやスネアードラムを捉えなければならず、上半身の運動は必要以上に考えていた。足で踏むベースドラムにしても、身長163センチ50キロ足らずの体格で、外国の人たちと互角のパワーを出すためには、身体運動の工夫しかなかったのである。
それらの工夫が、演奏中にシンバルをスティックで斬ってしまったり、PAを使用不能にしたり、ベースドラムのペダルを何台折ってしまったか分からないくらいパワーを出せるようになっていった。
おかげで、外国の人たちとジョイントしても、また、外国に演奏に行ってもパワー的にも決してひけをとることはなかったのだ。

当時、私のコンサートを聞きに来てくれた空手の先生が「日野君はドラムを叩く時腕や肘がうまく使えていますね、その調子で空手をすればいいのですよ」と言ってくれた事が最大のヒントになり、そこから「胸骨操作」へと飛躍したものなのである。

余談になるが、私の演奏していた
集合即興形式では、決められた約束が一切無い。
一時間あまりを、全員の直感力と音楽性・創造性が埋めるものだ。
したがって、誰かの出した音に対して誰もが瞬時に「どの音が必要か」を決断し実行しなければ音楽は出来上がらない。
そこで養われた集中力が、武道にとって重要な要素である
「間合いを切る・詰める・瞬時の意識の切り替え」へと繋がっている。
これまた結果論としてではあるが言い切れる。

 

胸骨の操作=脊椎の運動
「胸骨の操作」をもう少し仕組みとして説明しよう。

背骨の運動は全身運動の要
脊椎に無数の筋肉群が張り付き、頭部から骨盤までを連動系で働く仕組みになっている

頸椎・脊椎から腰椎にかけては、全身を働かせる筋肉(外側筋列・内側筋列・腸骨筋・大腰筋がくっついている。つまり、胸骨の操作とは、脊椎の運動に他ならないのだ。
では、なぜ脊椎の運動を、一般的に言う「背骨の運動」として捉えないのか?
ここには、身体の罠があるからだ。

身体運動は、自分自身のかすかな欲求や意志他を無意識的に運動に変換させ成立している。
つまり、
身体は意識や無意識、心理、生理的反応などとも相互の繋がりを持ち、自動的に身体を働かせる、という無意識的バランス体なのである
しかし、その身体の持つ能力を妨げるのが、これまた、身体の無意識的な緊張であったり、無意識的な緩みだ。
そしてその身体固有の運動能力は、意識の使い方次第で歪にもなるし効率良くもなる。そういう大前提を身体は持っている。
それは、例えば背骨の運動とした時、背骨を動かそうという事に対して注意が向く。ということは、その注意が向いた部位を動かそうと緊張する。そこを注意されたとしたら、気持ちが緊張し、背骨を動かすなどとはほど遠いぎこちない動きになってしまう、という相互関係性を持っているのが身体である。
であるから、
“背骨が使われなければいけない”のだから、「背骨の運動」としてはいけないのだ。
この辺りが身体の難しいところ、微妙なところだ。
では、胸骨ではそういった緊張は起こらないのか、と言えばもちろん起こる。しかし、その緊張は“背骨が使われる”という目的にあまり影響しないから良いのだ。

合理的身体運動

というところで、「胸骨の操作の実際」だが、まず初めは
「胸骨の引き上げ」だ。引き上げる事で、「胸骨」を取り巻く周囲(背中から腰・腹部から下腹部の刺激)を体感するのだ。

日野理論に通底しているのは、全て「体感」であり、体感の質の向上がトレーニングの実際・身体コントロールの核なのである。決して言葉や理屈ではない。言葉をいくら駆使しても、理屈をいくら知っていても身体運動の質を上げることなど出来るはずもないからだ。
この「胸骨の引き上げ」であっても、すでに背骨は働いている。

ここで胸骨操作とは異なる日野理論のもう一つの柱「連動」が必要になる。そもそもは、身体は無意識的であればあるほど、例えば、寝ている時などは合理的に連動し働いている、というものだ。
しかし、意図的になればなるほど、意識的になればなるほど、本来行っている合理的な身体運動、つまり、連動を基盤とした運動から離れていくのが私達の運動だ。
であるから、本来身体が無意識的に行っている「連動」に意識的に取り組み、一旦無意識レベルに落とし込み(体感を量こなす)、意図的運動時に自動的に働かせるようにする必要があるのである。


ここでは、胸骨の引き上げと操作に直接関係のある
「背骨の上下連動」をトレーニングする。

背骨の連動
 骨盤と床の接地点の圧力を知覚する

 ・で接地している骨盤の位置から繋がるように、骨盤に対する圧力を知覚する。後ろに倒れる時、腹筋を主に使って姿勢を維持するのではなく、腹部を徐々に緩める事で姿勢を作る

 骨盤から腰椎、脊椎、と順に圧力を知覚していき、胸椎辺り(胸骨中央の裏)までは、お臍を見るような感じで倒れる。(女性の場合は)ウエスト部分は特に接地しにくいので、後ろ周りをするようにして足を持ち上げるのがよい

 知覚点が胸椎辺り(胸骨中央の裏)に来た時、そこから首の根本までは「胸の引き上げ」の作業を加え知覚していく。胸椎から頸椎にかけては非常に接地しにくい、つまり、知覚しにくい点だが、「胸骨の操作」での重要な位置を占めるので、時間を掛けて挑戦して欲しい

まず、足を投げ出して座る。この時、床と骨盤が接しているところの圧力を自覚する次に、そのまま仰向けに寝ていくのだが、骨盤が床に接しているところから、腰椎・脊椎・胸椎へと身体と床が接している部位を知覚しながら進む。

その知覚部位が「線」になるまで、練り上げていくのがトレーニングである。
この「知覚」は、決して自分自身の身体内部を自分勝手に感じる、ということではなく、
床に接している部位の圧力を、である。
でなければその知覚は
思いこみの範疇であり“思いの中で自己完結”しているので、実際的に、例えば、その連動を利用して腕や足から力を出す、という事を“何かに対して”試みても永久に実現させることは出来ないのだ。
というところが、実際的な稽古時の重要事項である。
つまり、身体の仕組みは人為的に変えることは出来ないものだから、仕組みに沿って稽古しなければならない。でなければ、ほとんどが「自己完結」の為のものとなり、何かに対して役に立てることは出来ないのである。

次に、
「胸骨の引き上げと骨盤の引き下げ」を同時に行う。
胸骨の引き上げの最初の段階は、自身の意識が“引き上げる”になっているので、下に対して、つまり、床に対して力が働いていない状態(俗に言う“重心が浮いた”状態)になる。しかし、その引き上げに慣れてくれば次に“引き上げが床に対して力が働く”を作り出していく。その事によって、
足がどんな形になっていても“力が出る”という身体が出来上がるのである。
インナーマッスルの活用













その「胸骨の引き上げと骨盤の引き下げ」
は、同時に手からも力を出せる事になる。

それは、胸骨の引き上げが結果として脊椎運動を促し、その運動が腸腰筋を働かせる。
そして、その一連の働きが、身体全体、つまり、上半身と下半身とを繋ぎ統一体にしていく。
そうすることが、手そのものに意識が向かなくなり余計な力みが無くなるのだ。
と同時に、腕を伸ばすことで起こる刺激を介して肩胛骨に意識が向き、腕と脊椎が統一され、手に掛かる様々な外的刺激を、脊椎から足が自動的にコントロールするのである。
結果として、手からも力が出るようになっているのだ。
要するに、身体全体が統一的に働くので、手からも足からも力が出る、という事なのである。

インナー・マッスルの操作

 

 

 

 

意識のありように対する「監視」と「入れ替え」
スポーツ界であろうが武道の世界であろうが、様々な動きは全て「身体全体運動」として捉えなければ効率的な運動にはならない。その実際化の入り口がここでいう「胸骨の操作」である。
私にとってのコロンブスの卵だった肘の運動は、胸骨に。そして身体全体の運動へと飛躍した。
さらに、結果としてその探求は「身体運動」という、ヒトの普遍的な仕組みを知ることとなった。

その
稽古は身体運動だが、自分自身の意識のありように対する監視と入れ替えという運動でもあるのだ。

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(写真準備中)
胸骨の操作(トレーニング編)
胸骨の引き上げ
1 足を肩幅に視線は真っ直ぐ正面を向く
2 胸の真ん中(乳首と乳首の中央)を、上に向かって引き上げる。胸を引き上げる時、両肩は上がってはいけない。また胸を引き上げている時、両脇腹、腹部の上下の筋肉の引っ張りを知覚する。同時に、骨盤が後ろに少し出ていくのを知覚する。動かないのは腰部が緊張している為で、その時は、意図的に後方に誘導する
check! 写真は胸骨の引き上げを正面から。一方、胸骨の引き下げは腹部を緩める事で行われる。腹部を緩めた時に、骨盤が前方に移動する事を知覚する

胸骨の引き上げと骨盤の引き下げ
・足を肩幅にし、手を頭の後ろに回す。手が頭より前に来ていると、肩胛骨と背骨との連関がなくなるので注意すること・手を頭より前に来ないように上に上げていく・手が上がりきった時、脇腹の引っ張りを知覚する
check! 手が上がりきった時、体重はこの場合だと右足に自然にかかる。つまり、上げている手の方に体重が掛かるから、その方に充分に移動させる。脇腹の上への引っ張りと同時に、骨盤の下移動を誘導する

胸骨の開閉

・足を前方に出し、両肘を肩の高さに維持する。この時前方に足を出しすぎない事。また肘は肩よりも上に上がらないこと・胸骨中央を前に突き出す。この時、体重は前足に自然に移動するので、それに任せる・胸骨を後ろに突き出す。胸骨中央部の裏を誰かに押さえてもらい、そこを知覚した上でその部分を後ろに突き出す、という方法を取っても良い。また、後ろに突き出す場合も、腹部の緩みを使う。腹部が緊張していたら胸骨と骨盤を連関させることが出来ない
check! 最大の難関は、胸を突きだしているのか、肘を後ろに引いているのかを知覚できない点だ。だから、最初は誰かに両肘を軽く挟んでもらって行うのがよい。そして、その時の肩や胸の感じを記憶しておく

胸骨の引き下げ

・肩幅に立ち、両手の平を顔側にきちんと向け、肩幅で上に上げる・上げた両腕を下げるのだが、この時、両肘を垂直に下げてくる。前に突き出すように引き下ろしてくるとほぼ垂直に下げることができる・両腕を下ろしきると、肩胛骨と肩関節との関係でロック状態が起こる。そのロック状態でさらに肘を降ろす
check! ほとんどの場合が前屈みになっているだけで、胸骨が引き下ろせていないので、誰かに横からの姿勢をチェックしてもらうこと。・のロック状態からの引き下ろしは、腹部の緩みがポイントになるのでそこを注意胸骨の操作(検証編)

「胸骨の操作の検証」注意点
 
これらの組稽古は、胸骨の引き上げや引き下げが、実際として手や足から力が出ているのかどうかを検証するものだから、持ち手側の人は相手の力に逆らって動かすのではなく、きちんと固まった状態を維持することが大事。そして、これらの検証は常に行うのでなく、それぞれの個別の稽古(個人練習)がかなり出来たと思った時にだけ試すものである。でなければ、この検証の為の稽古をする事となり、胸の引き下げや引き上げの本質的な稽古ではなくなるので注意すること。基本的には、日野武道研究所で胸の引き上げ引き下げを4年程稽古している人間(一つの運動を一週間で10万回程度稽古)で、少しは使えるかな、というものだと言うことを認識しておいて稽古に取り組んで欲しい。

胸骨の引き上げ

↑固められた時、胸骨を引き上げた状態を作る。胸骨を徐々に引き下ろすと、骨盤が床側に引き寄せられる。骨盤が床側に引き寄せられた時、足は床に付いている。これも腹部の緩みと知覚がポイントになるので、胸骨裏から骨盤に掛けての知覚を徹底的に訓練しなければならない
↑体重を左足に充分に乗せ踏ん張る。膝辺りを抱えゆっくりと引っ張ってもらう。すると、耐えきれずバランスを崩す。今度は右手を上げ、脇腹を知覚し骨盤の引き下げを確認。するとバランスは崩れず、左足を上げることも可能となる
↑「胸骨の引き上げと骨盤の引き下げ」の姿勢から両腕を、二人に握ってもらう。またもう一人に足を動かないように固めてもらい、それぞれの部位を知覚して、同時に動かす。動きの最終点に来た時、胸骨の引き下げを加える事で、両手両足に体重が乗る
↑両手両足を4人に抱えてもらう。これは、支点を作っていないという検証なので、両肩を抱えている人に力が掛かった場合は間違い、という検証である。抱えられた人は胸骨の引き下げの姿勢をとる。そこから徐々に胸骨の引き上げの姿勢に移る。すると、足から力が出てくるので持っている人のバランスが崩れ出す。両足を持っている人のバランスが崩れ、両肩を持っている人に負荷が掛かっていなければ正解

胸骨の開閉

←後ろから羽交い締め状態にしてもらう。その時に胸を充分に開く。こちらは背中で相手との接着部位を知覚し、胸骨中央部の裏(背中側)を突きだしていく。羽交い締めにされている腕を縮めるのではなく、背中側を突き出す。結果として胸が閉じた状態になる。
↑両腕を交差させ、相手にしっかりと握ってもらう。胸骨中央部を前方(相手側)に突き出すのと、肘を引くのを同時に行う。胸の開きと肘とを連関させる為の稽古なので、最初の段階で充分に肘が重なるように捕まえてもらうこと

背骨の連動

両足の膝に肩を入れ押さえ込んでもらう。下の人間は、頭を自分の胸側に近づけ、胸骨を引き下ろした状態を作る
胸骨の引き上げと同時に、胸骨の裏側に感じる圧力を頸椎側に知覚していく(連動)。足の力で押しのけようとすれば、背中が軸となり、相手との接点が支点となるので、下半身は浮いてしまう
胸骨の引き上げが進むと、骨盤が後ろに反り気味に返るので、両足から力が出ていく
胸骨が引き上げきった時に、骨盤の引き下げが完了し足は下に伸びている

胸骨の引き下げ

↓・こちらは胸骨を引き上げた状態で立ち、腕を相手の首にかける。胸骨の引き下げと同時に、肘を相手側に(真下)に引き下ろしていく。胸骨が引き下がった時、相手はしゃがんだ状態になる。相手の首に手を掛け動かす時、その方向がこちら側になるのは間違い。それは「引っ張る」という運動になり、相手の首にぶら下がる、という状態になるので、胸骨を使えているのではない。
↑相手に中段突きをしてもらう。その準備姿勢として、胸骨を引き上げた状態を作っておく。相手の突きにこちらの手が触れた時、胸骨を引き下げていく。胸骨の引き下げと共に、こちらの手に力が出るので相手は崩れ出す。こちらが半歩踏み出すことで、相手の中心に対して力が働き崩れる。空手で言う「払い」ではないので、その点を注意すること。どちらかと言えば手は動かさない方がよい

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