ストックホルムの2週間
スウェーデンでのワークショップには、私の生徒でフィンランドで活躍する武田結子(役者)が通訳で助けてくれました。
もちろん、現地でも通訳を用意してくれていて、それは現地で活躍する大植シンタロウ君と言うダンサーでした。
しかし、今回たまたま武田さんが空いており、私のワークショップを受けたいと、フィンランドから来ることになっていたのでお願いしたのです。
大植君は私のワークを知らないので、用語を訳したり私の大阪弁が何を言いたいのかも混乱すると思ったからです。
その武田さんが、自分のブログでワークショップをレポートしてくれていたので、それを私のページに貼り付けることにしました。
英語が堪能な方はのぞいて下さい。http://www.art-budo.hino-budo.com/art-budo/in%20Stockholm.htm今回のストックホルムでのワークショップは Cullberg Ballet の芸術監督からの要請だった。
ついでに University of Dance and Circus も指導して欲しいとのことだった。
外国の大学、それもダンスやサーカスといったパフォーマンス専門の大学では、一体どんなことを教えているのか、そしてそのことによって、どんな人間が生まれているのか。
そんなことに興味があったから、ギャラ度返しで引き受けた。
まず大学は、設備が半端ではない。
多くの国が芸術を一つの輸出品として捉えている。
それと同じでスウェーデンでも、芸術は外貨獲得の一つなのだ。
その意味で、驚くほど立派な設備を持っている。
行ってみるとスタジオは幾つあるの?というくらい沢山ある。
音楽もあったので、そのスタジオも完備している。先生というか講師というか、そういった指導する人達の数も半端ではない。
しかしどうだろうか。
満たされているというのは、どんな結果を生むのだろうか。
それは街を見ていて感じたことだ。
福祉国家として、日本人にも人気がある国の一つだ。
しかし、街に何の面白みも無い。
つまり、活気が無いということでもあるのだ。
果たして大学生達は?
授業を開くと、日本の大学生達と変わらなかった。
むろん、例外はある。
これだけ恵まれた国だから、それを利用して徹底的に専門を追求してやろう、という学生もいるだろう。
ただ、私は出会ったことが無いだけだが。スウェーデン。誰もが知る福祉国家だ。
日本では、そんな福祉国家を目指しているらしい。
ストックホルムの街は整理され、広い道路に整理された街並み。
建物の窓の大きさも、たぶん決まっているのかもしれない。
何しろ、超合理主義の国だから。ヘルシンキで乗り換え、ストックホルムの空港に着く。
どんな感じなのか、楽しみにしていたが、他の空港とさほど変わらない。
「なんや」だ。今回の入国は、労働ビザで入る。
それは、私の招聘元が王立の大学と、王立のバレエ団だから正式でないといけないからだ。
別段、観光で入るのと違った質問があるのかな、と少しドキドキしていたが、それは無く普通に入れた。
バッグを受け取り、外に出ると、今回の招聘もとの事務担当の女性が迎えに来てくれていた。
その女性よりも先に目に入ったのが、大阪教室の生徒の武田さんだ。
彼女はフィンランドで役者として活躍している。
飛行機に乗ると 1 時間もかからない距離だし、公演が終わったところだからと、私のワークショップを受けに来たのだ。
「ひさしぶりやな、元気そうや」と挨拶をしていると、事務の女性が近寄ってきた。
彼女とはメールでやりとりしていたので、初めての気がしない。
お互いに軽い挨拶を交わしタクシーへ。高速道路を 40 分ほど飛ばし、ストックホルム市街に着いた。
旧市街というのか、古い街並みを通り越し、新市街へ。ヨーロッパで今まで行った国には、同じように旧市街と新市街がある。
日本のように狭い国では、出来ないことだ。今回のスウェーデンは 2 週間あるので、アパートタイプの部屋を用意してもらった。
その国、その国の食事をするのは楽しみだが、それが続くと年だから胃が持たなくなる。
だから、スーパーで買い物をし、自炊する方が身体が疲れなくてすむのだ。
明日からの大学の講義の時間や場所を聞き、やっと一息だ。
外に出てレストランを探す。
とりあえず一番無難そうなものを食べよう、ということで中華に入った。
可もなく不可もなくだった。
これが一番だ。
ビールを飲んでとにかく寝る。
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やはり時差ボケ。 しかし屋内も他のヨーロッパ諸国と同じで禁煙だ。
夕方 3 時を回ると、完全に陽は落ちる。 昨日の授業にはティルマンが顔を見せた。 今日は、スウェーデンに来てから初めて青空だった。 「後 1 日しかないから、何でも良いから質問していいよ」 明日はやたらと長い 1 日になりそうだ。 きっと、このワークショップが終わると、市内観光になるのだろう。 ダンスの大学でのワークショップは今日で終わった。 昨日は遅い朝食を食べ、徒歩で旧市街へ。 ストックホルムのスーパーで見かけたおもちゃだけど、どうして赤ちゃんが手錠をしているのか。目が点になった。 昨日は動物園へ行った。 |
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根本君が朝迎えに来てくれた。 胸骨から足親指への連動。 クルベリバレエ団からワークショップを終え、地下鉄を降りると、何と一日の短い事かと思う。 今日は腕のねじれを含んだストレッチに汗を流した。 正面向かい合いとねじれで、他の部位は微動だにさせない、という稽古をした。 3 時 30 分ワークショップは無事に終わった。 |
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クルベリバレエ団が入っているビルは、驚くなかれツアー専用のビルなのだ。
つまり、ダンスや芝居など、スウェーデンの文化を輸出する為の基地だ。
少し前から、韓流という言葉と共に、韓国のテレビドラマやポップスグループ等が日本を席巻しているが、それのスウェーデン版の基地だ。
国をあげて文化を輸出するのは、別段珍しい事ではない。
イスラエルでも、前からダンスに力を入れ輸出産業にしようとしている。
ビルには 12 のスタジオがあり、ホールも二つある。
大きなスタジオは、舞台と同じ寸法になっており、その向かいには、それと同じ大きさのスペースがあり、それは大道具を組み立てたり、様々な舞台装置を作り込む為のものだ。
その周辺には、木工の作業所、溶接の作業場。衣装、ヘアー。フォークリフトが走り回り、様々な作業をするスタッフが動き回っている。
とにかくこんな贅沢なスペースを持てるのは王立ならではだ。
今回通訳をしてくれた役者の武田さんは、ブロードウエイやアメリカの商業劇場でも、こんな設備を持った施設を見た事が無い、と驚いていたくらいだ。
外から見れば、至れり尽くせりの設備を持ったバレエ団だ。
しかし、だからといって良い作品、よいダンサーが生まれるとは限らない。
スウェーデンという国自身も、福祉などが充実しており、まず生活するには困らない。
野良犬も野良ネコも全く見かけないのだ。
ホームレスの人もいるが、聞くとインチキだという。
というよりも、そういう職業なのだそうだ。
人は裕福や充実を求め働く。
裕福や充実した国では、人は何にしても、意欲に欠けるように見えて仕方が無い。
むろん、生活ができることが主体であるなら、それでも何の問題もないし最高だ。
ダンスを職業として、生活出来るということは、それを目指している人にとってはうらやましい限りだろう。
しかし、よい舞台を作ろう、作りたい、と思っていた意欲が、時間と共にどんどん薄れていっているのには気付かない。
この辺りの分析は難しいところだ。
2012年2月、再び Cullberg Balletへ飛ぶ。